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松本 光弘 様
TDLの建設工事は、時間と品質とコストとの闘いであった。
組織が急激に膨張する集団の中で仕事をするには、キーパーソンを探し出し、問題を的確にとらえ、素早く判断していかなければならなかった。その一人が及川さんであった。
研ぎ澄まされた感覚と外連味のない割り切りをする私と、知識欲旺盛で律儀な及川さんとは、性格は違ったが不思議とウマが合った。
この工事から得た知識や経験は貴重で新鮮なものだった。しかし、それ以上に大切なことは、異なった立場や背景を持ち、急膨張した集団がTDLの完成に向け「協力」し、お互いの友情が芽生えた事だったと思う。
私は竣工後の設計体制を大きな組織に任せるのではなく、コンパクトで経験のあるスタッフに移行させたいという業務上の観点だけでなく、及川さんには組織に埋もれるのではなく、ペガサスのように羽ばたいてもらいたいという意識が強く働き、新しいスタートに向け出来るだけの応援をさせていただいた。
最初は仔馬のようだった彼等が大きな空間に跳躍し、コアメンバーが絆を深め、今日まで導き、また更に飛躍しようとしていることは及川社長の包容力と人柄に依るところが大きかったのではないかと考える。
(当時三井不動産取締役地域開発事業部長、現三井レジデンシャル社長) |